五弦琴をかなでる甲地さん

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毎回、さまざまな職業で活躍中のプロフェッショナルが登場!「どんな仕事?」「どんな人が向いているの?」などインタビューするよ。今回は、どんな話が聞けるかな?

甲地 利恵さん

北海道博物館 アイヌ民族文化研究センター 研究主幹[室蘭市出身]

室蘭市生まれ、札幌市育ち。北海道教育大学、東京学芸大学大学院で民族音楽学を専攻。1994年よりアイヌ民族文化研究センターでアイヌ音楽の研究を行う。

 

大好きな音楽の学びを仕事に生かして

―現在のお仕事について教えてください。

北海道博物館のアイヌ民族文化研究センターで、アイヌ民族の伝統的な音楽の研究をしています。博物館は、形がある物の展示をする場所ではありますが、音楽という無形文化をどう紹介すればよいか、アイヌ民族文化研究センターの人たちとも相談しながら、仕事を進めています。同時に社会貢献グループという部署にも所属し、学術雑誌や特別展示の図録を作る事務なども担当しています。

―今のお仕事につくきっかけは、何でしたか?

私は子どものころから、いろいろなジャンルの音楽が大好きで、大学では音楽を専攻しました。大学3年生のときに入ったゼミで、民族音楽学という学問のおもしろさにのめり込んでいきました。ある曲がどのようにできているか分析したり、その音楽を伝える土地や人と音楽との関わりについて、調べたり考えたりすることが楽しかったのです。そして、東北地方の民俗芸能やアイヌの音楽などを学び、フィールドワークもしてきました。そのような経験を生かし、北海道博物館の学芸員として働いています。

―アイヌの音楽には、どのような特徴がありますか?

全体では歌とおどりの演目が多いですが、ムックリという口琴やトンコリという五弦琴などの楽器も伝わっています。アイヌの歌の歌い方の1つに「ウコウク」というものがあります。1つのメロディを、何人かで次々と追いかけるように歌っていくと、音が重なり、とても豊かで深い響きが生まれてきます。聞くとみなさんもきっとおもしろいと感じるのではないかと思います。

楽器や生活道具の展示

 

より確かなことを伝えていきたい

―お仕事をするうえで、心がけていることはありますか?

研究した成果を、分かりやすく伝え、興味を深めてもらえるよう心がけています。そのためにも物事をきちんと調べて、考えて、確かなことをみなさんに知っていただけるよう、努力を続けなければと思っています。博物館では、展示だけでなく、いろいろな講座やワークショップも行っています。自分が興味を持ったことを調べたり体験したりしていくと、ものの見方や感じ方も変わって世界が広がっていきますよ。ぜひ博物館を訪れて、展示にふれながら、さまざまな体験をしてほしいなと思います。

北海道博物館には、映像を見たり、音を聞いたりする展示もあります。おもしろいなと思ったことや、どうしてかな?と思ったことは、博物館でどんどん質問してくださいね。


北海道博物館

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